『思想初心者の館』「12時間目」普遍的価値「市場経済」



 思想初心者のための解説「12時間目」を始めます。

 今回の講義は、普遍的価値だと言われている市場経済についてです。



市場経済(market economy)>

 市場経済(market economy)とは、民間(各個人)が市場を通じて資源配分を行う経済の仕組みのことです。市場主義経済や自由主義経済などと呼ばれることもあります。

 市場経済に対立する概念は、計画経済(Planned economy)です。計画経済とは、中央政府が計画して資源配分を行う経済の仕組みのことです。

 歴史的には、原則的に全ての生産手段を公有とする社会主義国家の計画経済は大失敗に終わったと言えるでしょう。そして、何でも民営化すれば良いという資本主義国家の市場経済も大失敗しました。

 よって、目指すべき経済は、市場経済と計画経済の利点を活かした混合経済になります。

 需要や供給に関するあらゆる情報を政府が集めるのは不可能なため、民間にまかせた方が効率的に価格調整される場合が多いと言えます。しかし、民間にまかせたままだと、市場の失敗に陥ったり、過度なインフレやデフレに悩まされたりします。そのときは、政府の介入が必要になります。

 ということで、市場経済は普遍的価値ではありません。経済には、民間に任せる場合と政府が介入する場合の両方が必要なのです。



【補習】

 市場経済で突っ走る傾向は、自由の肯定と結びついています。ですから、論理的には自由のときと同じ構造であり、民間に任せた方が良い場合(自由にさせた方が良い場合)と、民間に任せるとまずい場合(自由を制限した方が良い場合)があるという話になります。『続・近代の超克』でも同様のテーマを論じています。






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