『アホガール(1) (ヒロユキ)』ーあぶり出される世の中の真実ー

 

 このマンガは、衝動によって生きるアホな少女「よしこ」と、その幼馴染みで苦労人の「あっくん」が繰り広げるドタバタ四コマ漫画です。一見して、よしこのあまりのアホさ加減を笑うだけのマンガに思えます。
 しかしその実、アホさ加減によって世の中の鋭い真実があぶりだされるという、極めて思想的に深い論点が提示されているマンガなのです。『アホガール(1)』には、〈(人間は考える)アホガール(p.108)〉と書かれていることからも、間違いありません(ドヤッ)。

 

 つまり、この『アホガール』こそ、世の中の真理をあぶり出す高度な思想マンガだったんだよ!!

 

 (; ・`д・´) ナ、ナンダッテー !! (`・д´・ (`・д´・ ;)

 

 例えば、「あっくんの見解(p.14)」では、よしこの母親が、あっくんと娘をくっつけようとよしこの外見の良さをアピールします。それに対し、あっくんは「人間はサルに恋しませんよね」と笑顔で返しています。そうなのです。人間の外見は極めて重要ですが、外見がすべてではないのです。外見はすべてではない。この真実は一つの希望ですが、なぜかこの四コマを見ると絶望の匂いも漂ってきます・・・。深いですね・・・。
 「あっくんの計画(p.15)」では、よしこの母親は娘を人間並みにしてとあっくんに頼みます。あっくんは何とかすると請け負いますが、ムリな場合の代案を四コマ目で示しています。この冷徹で有効な手段の提示、実におそるべきマンガです。是非読んで確かめてみてください。
 「圧倒的説得力(p.23)」では、善いことを心から相手に訴えることが、必ずしも善い結果を生むわけではなく、それどころか不快感を与えてしまうことがあるという恐るべき真実が簡潔に示されています。
 「もしかしない(p.40)」は・・・、うん、まあ、いや、ねえ? (何が「ねえ?」だよ・・・)
 「力業(p.62)」には、娘と自分の老後を心配する母親が、時として狂気にとらわれる瞬間が的確に描写されています。母親の愛は、ときとして第三者には狂気として映ってしまうのです。悲しい真実ですね・・・。
 「優しさ(p.65)」には、人間の持つ優しさが四コマ漫画のコマ割りによって綺麗に描かれています。
 「はずかしめ(p.71)」には、称賛することが相手を貶めることになるという逆説が的確に描写されています。
 「優しくしないで(p.81)」について。優しさは時として人を傷付けた・・・。
 「反面教師(p.99)」までの流れは、アホさが子供の自立心を高める効果があることを実証しています。教育の可能性について、考えさせられてしまいます。
 「鍛えられていく(p.115)」までの流れは、常識人は、常識人であるが故に高潔な人格を獲得していく過程が鮮やかに描かれています。
 「それでも先生なら・・・(p.123)」には、たとえ絶望的な状況だとしても、か弱い人間は僅かな可能性にでもすがらざるを得ないという人間ドラマが展開されています。

 

 以上のように、『アホガール』は大変深い作品です。「『アホガール』なんて読んでいるとアホになっちゃうわよ」という、PTAとか何とかの表面的で偽善的な言葉に騙されないように注意してください。そんな奴らは、世の中の本当に大事なことも見抜けない、実に薄っぺらい奴らなんです。ほ、ほんとだよ?(なぜか疑問系)
 

 

 

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