『アホガール(3) (ヒロユキ)』―切ない恋の物語―


 『アホガール』の3巻目です。今回も、世の中の鋭い真実があぶりだされています。
 主人公のよしこは、幼なじみのあっくんのことが大好きです。「その41」と「その45」から、よしこの恋について考えていきます。
 まず「その41」では、よしこの女子力の高さが明らかになります。よしこは、「大好きなあっくんに・・・、いつでも一番キレイな私を見てほしいから」と言って女子力を磨いています。かわいらしい外見の上に努力を重ね、肌はモチモチ、髪はツヤツヤ、爪はピカピカです。友達のさやかちゃんは、よしこの頑張りに感銘を受け、あっくんによしこを女の子扱いしてくれるように頼みます。女子力を見せつけようとするよしこを、あっくんは殴り倒します。ひどいよ、あっくん。
 よしこの魅力が伝わらないのは、外見の女子力だけで内面が伴っていないからだと思われるかもしれません。そのため、次は「その45」を見ていきます。ここでは、よしこの内面が明らかになります。友達との旅行中に、あっくんのコンプレックス疑惑が浮上します。そのコンプレックスに対しよしこは、疑惑が本当だったとしても、あっくんが大好きだと宣言するのです。愛ですね。さらに、あっくんの苦しみを救うためには、自分が殴られることも厭わないとまで言うのです。まさしく、内面は聖女レベルだと言ってよいでしょう。そんなよしこに対し、あっくんはトゲトゲの付いた武器を投げつけるのです。ひどいよ、あっくん。
 この経緯だけを知ると、あっくんがとんでもない外道に見えてきます。しかし、この漫画を読んでいると、何故かあっくんよりもよしこにむかついてくるのです。なぜでしょう? 外面も内面もすばらしいはずなのに、よしこをないがしろにするあっくんを擁護したくなってくるのです・・・。
 世の中には不思議があふれ、まだまだ分からないことがたくさんあるのだと再認識させられてしまいます。つまり『アホガール』は、世の中のいかんともしがたい複雑性があぶりだされるという、極めて思想的に深い論点が提示されているマンガなのです。
 つまり、この『アホガール』こそ、世の中の真理をあぶり出す高度な思想マンガだったんだよ!!


(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー !! (`・д´・ (`・д´・ ;)


PS.
 しかしな、あっくん。「その46」の「鉄壁」で、さやかちゃんの「あ~ん」を拒否するとは・・・。「なっ!何をするだァーッ! ゆるさんッ!」

 

 


 

 『漫画は思想する』へ戻る


【主要コンテンツ】

《日本式シリーズ》

 『日本式 正道論

 『日本式 自由論

 『日本式 言葉論

 『日本式 経済論

 『日本式 基督論

《思想深化シリーズ》

 『謳われぬ詩と詠われる歌

 『公正考察

 『続・近代の超克

 『思考の落とし穴

 『人の間において

《思想小説》

 『思想遊戯

《メタ信仰論シリーズ》

 『聖魔書

 『夢幻典

 『遊歌集

《その他》

 『思想初心者の館

 『ある一日本人の思想戦

 『漫画思想

 『ASREAD掲載原稿一覧

 『天邪鬼辞典

 『お勧めの本