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『アホガール(4) (ヒロユキ)』―名前の意味するもの―


 『アホガール』の4巻目です。今回も、とてつもない水準で世の中の鋭い真実があぶりだされています。どの話もめちゃくちゃ深い話なのですが、ここでは「その56」を例にして哲学的に考えてみましょう。
 主人公のよしこは、飼っている犬を「犬」と呼んでいます。それに対し、幼馴染のあっくんは、犬に名前を付けるべきだと主張します。


あっくん いいから「犬」以外の名前を付けてやれ! かわいそうだろ!!
よしこ  犬なのに!?
あっくん そうだよ!!


 このやり取りを見て、よしこはアホだなと読者は思うわけです。タイトルは『アホガール』ですし、よしこはアホだなと笑うように仕向けられているのですから...。
 しかし、しかしですよ。もしかしたら、よしこの言い分の方が正しいのかもしれないのです。なぜなら、人間と犬は遺伝子的に決定的に異なっているからです。すなわち、種族が違うのです。ならば人間は、犬を「犬」と呼んで何が悪いというのでしょうか?
 つまり、ここでのあっくんの言い分は、先入観に満ちた偏見であることが暴露されているのです。次のやり取りでは、犬に名前を付けるということの特別性が見事なまでに示されています。


あっくん それはてめぇを「人間」って言うのと同じだろ......。
よしこ  どういうこと!? やってみて!!
あっくん 心の底からアホだな人間は...。
よしこ  下界を見下す神のようだ!!


 素晴らしいやり取りです。ここでは、対象を種族名で呼ぶことと名前で呼ぶことの哲学的な違いが、非常に分かりやすく的確に描写されています。人間が犬を「犬」と呼ぶことは、人間と犬との関係が、神と人間のごとき隔たりとして存在しているということです。逆に言えば、名前を付けて呼ぶということは、種族の別を超えた近しい関係性の誕生を意味するのです。
 個別の対象に名前を付けるということは、その個体を特別視することになります。人間は言葉の動物ですから、名前を付けることによって、その対象を今までとは違った感情をもって接することになるのです。犬を「犬」ではなく「名前」で呼ぶことで、一対一の深い関係性が築かれていくことになるのです。
 しかし、新たに名前を付けるということは、今までの関係が変化してしまうということでもあります。それゆえ、新しく名前を付けるということに対し、保守派と改革派の対立が生じてしまうかもしれないのです。この『アホガール』という作品では、そのレベルまで描写しきっています。まったく、おそるべき作品です。
 「種族」で呼ぶか「名前」を付けるか、その決定が、人間同士の争いを生んでしまう可能性があるのです。名前というものが持つ魔力が、寓話として見事に表現されています。
 つまり、この『アホガール』こそ、世の中の真理をあぶり出す高度な思想マンガだったんだよ!!


 (; ・`д・´) ナ、ナンダッテー !! (`・д´・ (`・д´・ ;)



PS.
 「その66」参照。
 スーパーサイヤ人は、数字が増えていくにつれて毛の量が増えていきます。しかし、スーパーさやかは、数字が増えてもバストサイズは変わらないのであります(涙)。
 

 


 

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