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第一部 第八章 三好達治『略記』の検討


  三好は、〈日本精神は、日本国の歴史、日本国民の生命と共に、実は過去に発足して、現在も刻々に自らを実現し、明日にむかつてなほ日々に成長発展しつつ、遠い将来の前方に於て、その未来の理想形態が予想される――わづかに想定されるところのものでなければならない〉と述べています。
 一見して保守派などが喜びそうな意見に思えますが、注意が必要です。例えば「成長発展」や「未来の理想形態」などという言葉に警戒しなければなりません。ここには進歩主義といういかがわしい思想が潜んでいます。
 まともに考えれば、理想とは過去および過去の組み合わせによって導かれるものです。まだ未だ来ていない状態に対し、それが良い状態だとどうやって判断できるというのでしょうか。
 未だ来ていない、すなわち未来を理想とするには、時代がよくなれば(多少の変動はあるにしても)必然的に世の中は良くなるという想定が必要なのです。それが、進歩主義というおかしな思想の正体なのです。
 キリスト教圏においては、キリスト教の影響で進歩主義が幅を利かせています。一方、日本では明治維新により西欧思想の流入が起こり、それによって進歩主義的な考えがはびこるようになったのです。例えば、福澤諭吉は日本最初期の進歩思想家の一人だと見なせます。
 日本における「近代の超克」では、この進歩思想を退けることも極めて重要になります。そういった観点から、三好の言説には注意が必要になります。



 

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