第二部 第三章 対リベラリズム(自由主義)



 我々が近代の思想と訣別するために、ここでは思想上におけるリベラリズム(自由主義)を否定し、それに代わる価値観を提示することにします。
 対リベラリズムの思想については、『日本式 自由論』において、西洋の自由主義について詳しく論じています。リベラリズムへの論理的な批判を展開していますので、興味のある方は参照してください。
 結論だけを簡単に述べてしまうなら、リベラリズムは欠陥品なので信奉することはやめましょうということです。
 リベラリズムを捨てた場合に取りうる選択肢として、私は日本思想を挙げておきます。ただし、もちろん日本人および日本思想に興味がある外国人にしか勧めません。他国の人に無理に勧めることはしません。他国の人は、自分の国の文化や思想を選べばよいと考えているからです。


【補足】
 西洋の文脈で考える人の中には、自由主義(リベラリズム)の代わりに保守主義 (コンサバティズム)を考える人もいると思います。私は日本思想の立場から、こちらに害が及ばない限りは反対しませんが、私自身は保守主義にも問題があると考えています。
 余計なお世話ではありますが、西洋の文脈で考える場合には、マッキンタイア(Alasdair MacIntyre, 1929~ )の『美徳なき時代』が参考になります。マッキンタイアは、〈近代の組織的な政治は、それが自由主義的、保守的、急進的、社会主義的のいずれであれ、諸徳の伝統に対して真の忠誠を抱く立脚点からいえば、端的に拒絶されるべきなのだ。というのは、近代の政治それ自体が、その制度的諸形態において、かの伝統に対する組織的な拒絶を表現しているからである〉と述べています。それではどうすれば良いかというと、〈アリストテレス的伝統は、私たちの道徳的・社会的態度とコミットメントに理解可能性と合理性を回復する仕方で述べ直されうる〉という考え方が示されています。つまり、〈アリストテレス的な道徳伝統こそ、支持者たちがその認識論的・道徳的資材に対し合理的にいって高度の確信をもつ資格がある、私たちの所有する最善の事例の伝統である〉ということです。参考になりますね。




 

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