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第二部 第四章 第三節 ケインズ検討



 ケインズ(John Maynard Keynes, 1883?1946)は、イギリスの経済学者です。ケインズ革命と呼ばれる経済学の大変革をひきおこしました。


第一項 『自由放任の終わり』の資本主義
 ケインズは、1926年の『自由放任の終わり』において次のように述べています。


 わたし自身の見方をいうなら、資本主義は賢明に管理すれば、現時点で知られているかぎりのどの制度よりも、経済的な目標を達成する点で効率的になりうるが、それ自体としてみた場合、さまざまな点で極端に嫌悪すべき性格をもっていると思う。いまの時代に課題になるのは、効率性を最大限に確保しながら、満足できる生活様式に関する見方とぶつからない社会組織を作り上げることである。


第二項 ケインズ考
 ケインズは、資本主義の問題点をかなり正確に認識していたと思われます。
 その是非はともかく、『雇用、利子、お金の一般理論』の第16章には、〈資本財を極度にあふれさせ、資本の限界効率をほぼゼロにするのが簡単だという私の想定が正しければ、これは資本主義の感心しない特徴の多くをだんだん始末する、最も賢いやり方かもしれません〉と述べている箇所もあります。ちなみに第24章には、〈消費性向と投資誘因の間での調整には中央のコントロールが必要ですが、その範囲を超えてまで以前より経済生活を社会化する理由はまったくありません〉という言葉があります。
 ケインズは資本主義を無条件に肯定してはいません。資本主義を管理することで、満足できる生活様式を目指しているのです。


第三項 ケインズの外に立つ
 ケインズの意見には、参照すべき点が多く含まれています。
 経済学者の根井雅弘(1962~ )は『市場主義のたそがれ』において、〈純粋な「資本主義」や「市場」というものは存在せず、生産手段が私有されているという意味で「資本主義」であったとしても、第二次世界大戦後にケインズ主義を受け入れて以来、各国は、程度の差はあれ、「混合経済」になっている〉と指摘しています。混合経済(mixed economy)については、〈生産手段が私有されているという意味で基本的に「資本主義」ではあっても、自由放任主義の弊害を矯正するために、政府が経済管理の一翼を担っている経済体制を指す言葉〉だと説明されています。
 例えば、新古典派総合のサムエルソン(Paul Anthony Samuelson, 1915~2009)は、〈われわれの社会は、公私いずれもの機関が経済的統御に一役を果たすような『混合経済』である(『経済学(第十一版)』)〉と述べています。
 ただし、別に我々はケインズ信者でもケインジアンである必要もないので、ケインズの管理された資本主義という条件に囚われることなく、満足な生活が可能な社会組織を模索していけばよいのです。その際に、効率性をある程度犠牲にせざるを得ない状況もあるでしょうし、そのときは効率性を犠牲にすればよいのです。




 

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