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政治制度論『西欧の政治考察』

 

 前章までで、西欧の政治制度を見てきました。歴史に名を残す論者たちの政治論は、参考とするに十分な内容を兼ね備えていました。
 日本の政治を考える上でも、西欧の政治制度を考察することは役に立つと思います。

 

 第一節 政治制度の分類
 西欧における政治制度の代表的な分類として、君主制・貴族制・民主制があります。それらの堕落した形態として、独裁制・寡頭制・衆愚制があります。
 前者の三つの政体は、そのままでは堕落して後者の三つの政体へと変化します。政体が変更されることについては、革命と呼ばれることがあります。
 君主制・貴族制・民主制の三政体を合わせた混合政体という政治制度もあります。

 

第二節 民主政体
 デモクラシー、つまり民主政体は、民主主義と呼ばれることもあります。
 民主政体には、数多くの欠陥があります。大きく分けると、自由と結びついた欠陥、平等と結びついた欠陥、多数と結びついた欠陥の三つがあります。
 民主政体における自由は、欲するままの無秩序な生活をもたらします。詐欺師が民衆の支持を得ることになり、民衆は優秀な人物を引きずり下ろします。
 民主政体における平等は、人々の不満をかき立てます。平等が進めば、少しの不平等でも我慢ができなくなり、不平不満はいつまでも続きます。気に入らない格差を破壊した上で、平等という名の専制が始まります。何を等しいと見なすかの基準が、等しくないと見なされた人たちへ襲いかかります。民主主義によって、他者への危害の肯定が生まれるのです。
 民主政体における多数は、数の多さを根拠として猛威をふるいます。人の質ではなく、人の量によって知性が保障されるのです。実に馬鹿らしいが故に、非常に恐ろしい事態です。この事態は、人間の誇りを打ち砕き、多数派は少数派を良心の呵責なく踏み潰すようになります。少数派は、多数派の悪意によって排除されるか、多数派の善意によって同化を強制させられます。
 自由・平等・多数を肯定する民主主義という恐るべき政体によって、人々は古いものを嫌悪するようになります。祖先や子孫のことを考えなくなります。ひどいときには、同時代の仲間からも離れて孤独になり、物質的享楽に引き込まれます。
 デモクラシーでは、道徳を護ることではなく、道徳にとらわれないことが善きことのように吹聴されます。世論は不安定に揺れ動き、大衆は気に入らないやつを非難して絶望に追い込みます。
 集団リンチ大好き人間は、こう言うのです。「民主主義万歳!」と。

  

第三節 混合政体
 混合政体とは、君主制・貴族制・民主制の異なった様式を組み合わせた政治制度です。混合政体では、三政体の各要素が抑えあったり助けあったりして調和します。そのため、多くの状況において適切な対処が可能になります。
 君主制は、特に世襲君主に顕著ですが、継承による共通の権威が備わります。貴族制は、徳に基づく政治を目指します。徳のある者を選ぶという点から、投票制は貴族制に適しています。民主制は、国の民のためという視点が必要になります。これらの三政体がうまく作用し合うことで、混合政体は安定を得ることができます。
 もちろん、混合政体も堕落することがあります。贅沢・欲望・不満・虚栄・奢侈などがはびこれば、混乱がもたらされます。油断は禁物です。政体の安定は、制度や慣習や道徳を尊重する国民の健全性にかかっているのです。
 国家は、現存する者・既に逝った者・将来生を享くべき者の組合です。祖国の護持のためには、堅実な混合政体を築きながらも、危機に際しては強力な指導者が必要になります。

 

第四節 代議制
 代議制とは、国民が代表者を選出し、その代表者が政策を決定する制度のことです。この制度は、民主制と貴族制の合成になります。つまり代議制は、制度論的には間接貴族制かつ間接民主制ということになります。
 ただし、代議制を間接貴族制と呼ぶ場合と、間接民主制と呼ぶ場合では、相違が生まれます。間接民主制と呼ぶ場合には、代議士は民衆の奴隷となります。民意に従えと言われるようになるわけです。間接貴族制と呼ぶ場合には、代議士は精神的貴族となります。代議士は、自身の判断によって政治を行うことが求められるのです。
 そのため、民主政体において代議制を採用する場合、代議制は間接民主制とも呼ばれることになります。一方、混合政体において代議制を採用する場合、代議制は間接貴族制とも呼ばれることになります。

 

 

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