ある一日本人の言葉
[1]
私は、精神の偉大さがありえるという儚い仮説に立脚して生きている。
[2]
真実は、残酷かもしれない。
[3]
優しい嘘が吐けること。それが、大人であるための、最低限の条件だ。
[4]
世界は、この世界だ。
それゆえ、この世界でないことの思考によって思想の深化が可能になる。
「世界はこの世界だ」と言ったとき、そこには既にこの世界ではない世界が想定されている。
[5]
問:偉大なる物語とは?
答:永遠でないものを永遠であれと希う永遠でないものたちの歌。
[6]
心と心が触れ合い、心が心と触れ合う。
前半部は客観世界で後半部は主観世界。
[7]
世界は、正しいことだけで成り立ってはいるわけではない。
世界は、正しいことと間違っていること、そして、良く分からないことで成り立っている。
[8]
人間の作品には、人生における特別な期間にしか生み出すことができない類(たぐい)のものがある。それはいくつもの要素の奇跡的な調和であり、その儚さは脆さゆえの美しさを生み出す。
[9]
独り、共に、我々の道を往く。
『ある一日本人の思想戦』 へ戻る
論文一覧 へ戻る