名言集:坂口安吾(1906~1955)
(1)いのちを人にささげる者を詩人という。唄う必要はないのである。
『特攻隊に捧ぐ』より
(2)他のためにいのちをすてる、戦争は凡人を駆って至極簡単に奇蹟を行わせた。
『特攻隊に捧ぐ』より
(3)強制せられたる結果とは云え、
凡人も亦かかる崇高な偉業を成就しうるということは、
大きな希望ではないか。
大いなる光ではないか。
『特攻隊に捧ぐ』より
(4)美しいものの真実の発芽は必死にまもり育てねばならぬ。
私は戦争を最も呪う。だが、特攻隊を永遠に讃美する。
『特攻隊に捧ぐ』より
(5)私の卑小さにも拘らず偉大なる魂は実在する。
私はそれを信じうるだけで幸せだと思う。
『特攻隊へ捧ぐ』より
(6)終戦後、我々はあらゆる自由を許されたが、
人はあらゆる自由を許されたとき、
自らの不可解な限定とその不自由さに気づくであろう。
人間は永遠に自由では有り得ない。
『堕落論』より
(7)墜ちる道を墜ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。
『堕落論』より
(8)我々の為しうることは、ただ、少しずつ良くなれということで、
人間の堕落の限界も、実は案外、その程度でしか有り得ない。
人は無限に墜ちきれるほど堅牢な精神にめぐまれていない。
『続堕落論』より