『国力とは何か』中野剛志

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 中野剛志さんの『国力とは何か』(講談社現代新書)を読みました。

 中野剛志さんは、最近立て続けに本を出しておられますが、どれも素晴らしい内容です。大注目です。今後も、中野さんの単著は購入して読んでいくつもりです。

 本書を読むと、今後のアメリカがやばいというのがよく分かります。日本は、戦略次第で未来が大きく変わりますね。本書で提示されている方向性は、基本的に賛同できます。問題は、この方向性を政府や国民が理解できるかどうかにかかっているのだと思います。今の政府や、その政府を選んだ国民のレベルを考えると、かなり不安になります。ですから、今後の日本に展望があるとすれば、まずは本書の論理レベルで議論できるところに立てるかどうかだと思うのです。

 

PS.

 本書での国民国家の説明のところは、どうも納得できませんでした。国民国家とそれ以前の国家の違いの説明は、程度問題という気がします。近代になって国民国家が誕生したというのは、私には西洋的な思考における一種の神話に過ぎないと思われるのです。この点については、機会があれば煎じ詰めて論じていきたいと思います。

 

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