『反TPP論(幻冬舎)』小林よしのり

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 小林よしのりさんのゴーマニズム宣言SPECIAL『反TPP論』を読みました。
 論理は明快であり、TPPの危険性とそれに賛成する愚かさが的確に表現されています。これを読んでもなおTPPに賛成する人は、日本人の99%以上が不幸になっても、自身を含めた1%未満の人間が得をすれば良いと考えている人だけだと言えるでしょう。経団連などは、そのような人たちだけで構成されている団体なんでしょうね。自分たちが儲けたいのは分かりますが、そのためにTPPは日本のためだと嘘をつくのはやめてほしいです。といっても無理でしょうが。金のためには詐術を駆使するその姿勢は浅ましいの一言です。p.80にあるように、〈一部の経済界と、政治家と、マスコミが「私益」のために、国民を騙している!〉という現状が悲しいです。
 本書には、福沢諭吉の「立国は私なり、公に非ざるなり」の正しい解釈が示されていて嬉しかったです。また、第5章の「来島恒喜・かつて日本人にあった攘夷」は、美事の一言です。安易な解説などできない、珠玉の一品です。是非、本書を自分の目で見て確認してください。この章を否定的にしか見られない人とは、おそらくわかり合えることはないでしょう。

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