『表現者43』

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 『表現者43』は、〈自民党に物申せば〉というテーマです。ざっくり言うと、自民党は保守れよ、ということを皆さん論じてらっしゃいます。例によって、気になった論考にコメントして行きます。

・「自民党は自由と民主主義を疑え」三浦小太郎
 意見として、〈いやしくも保守を名乗る政党ならば、自由と民主主義に敵対する覚悟を持つことである〉とあります。まあ、その通りなのですが、じゃあ、本当に議員がそれを実行したら・・・。

A議員「私は、自由を敵視しています。民主主義も敵視しています。」
B議員「ふ~ん、で、君はどこの政党に所属しているの?」
A議員「はい。自民党であります。」
B議員「・・・・・・」

・「憂国の保守政党よ、出でよ」富岡幸一郎
 論考内で、芹沢光治良の『人間の運命』が紹介されています。モンパルナスのレストランの老給仕長の言葉が、実に素晴らしいです。老給仕長は、〈お国はアメリカの属国です、独立国ではありません。あれはひどすぎる。日本は五十数カ国を相手に最後まで戦った強国です。完全独立を与えなければ、必ず実力で紲を切って、自由と独立をかちとることを、アメリカは知らないのだろうか。勝利におごったアメリカも、必ず思い知る日がありましょう〉と言います。涙が出そうになります。やはりあの時代には、偉大な人物が多かったんですねぇ。

・「自民党にモノ申す」佐伯啓思
 〈大きな政策対立を前提にした二大政党政治は、日本では困難だと知るべきである〉とあります。まったくその通りですね。

・「今こそ「旧い自民党の政治」を!」中野剛志
 〈反動の誹りを恐れずに言えば、「旧い自民党の政治」こそが必要なのだ。少なくとも、その方が、これまで世論が求めてきた「新しい政治」よりはずっとましであるし、しかも時代の変化に対応しているのだ〉とあります。まったくその通りですね。

 全体的に、自由主義と民主主義の合成である自民党に、保守主義を期待するところに無理があるように感じました。かといって、保守党を新たに立ち上げてもなぁ・・・。
 やっぱり、外国由来の名前の党しかないのが痛いですね。日本護国党とか、日本護持党とかあればいいのに。

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