『わしズムVol.31』小林よしのり責任編集

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 今回のわしズムは、「古事記りばいばる」です。どの執筆者の古事記の解説もたいへん面白いです。
 まずは、ゴーマニズム宣言「国生み神話」です。古事記のエロって、いいですね。正直、『前夜 ZEN-YA 』におけるエロは受け入れがたかったんですが、今回のような知的なエロは良い意味でのスパイスになっていると感じました。イザナギの言葉を、原文の読み下し文で紹介したところはすごいですね。絵と文章の相乗効果で、えらいことになっています(笑)。「別天神」を絵で表現したところも個人的にすごく好きです。
 「天孫降臨」は、神様たちの表情が素晴らしいですね。特に、「正勝吾勝勝速日」の小物っぷりとか、「ホノニニギ」のニカッとした笑顔とか最高ですね。
 学者先生方のユーモアあふれる解説も見事です。特に、高森先生の「『古事記』リバイバルの千三百年史」は、締めの役割をしっかりと果たしています。やっぱり、本居宣長は天才だわ。最後の、〈面白いわけだよ。〉という意見も、ここまで古事記の解説を聞いていれば、「そりゃそうだよ。面白いわけだよ」と思わず返してしまいます。
 編集長インタビューでは、参議院議員の林芳正先生の人柄が見えてきます。正直に言って、よしりん先生の政治家を見る目は、今までの経緯からあまり信用してないのですが(笑)。少し前に、原口よいしょしてたりね・・・。でも、林議員には期待したいと思います。
 若手では、古市憲寿さんや中野剛志さんの論考が、きらりと光っていますね。
 西尾幹二の論考は、親米保守を痛烈に批判していますが、一言足りない気がします(苦笑)。
 個人的にすごいなあと思ったのは、「十万年の神様」を打ち切ったところです。英断だと思います。正直、面白くなかったし、先も見えなかったですもん。あと、『卑怯者の島』は発表する予定があるそうで、それはすごく楽しみです。

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