題名が長いですね(笑)
題名は長いですが、内容はコンパクトにまとまっていて、読みやすかったです。三橋さんの本を読むと、希望が湧いてきます。ニヒルに構えて絶望的なことを言うより、事実に基づいて希望を語るのって、大変偉いことですよね。
本書に文句を付ける気はまったくないのですが、異論がある部分について述べておきます。
まず、〈「正しい問題認識」に基づいた「正しい政策」を実施する待望の政権がようやく現れる――市場はそのように判断し、大きな期待を抱いたのでしょう(p.6)〉という部分です。さすがに、これは言い過ぎでしょう。株価に関しては、雰囲気が先行している感は否めないと思います。ただ、それを利用して、実際の景気回復につなげれば良いとは思います。
次ぎに、〈共産国家であれば、「銀行からこれだけ借りろ」とか「従業員の賃金を上げろ」などと命令することも可能でしょうが、日本は民主主義国家ですから、様々な政策によって環境を整え、企業の意欲を高めていくしかありません(p.16)〉というところです。これは、間違っていると思います。命令することは、民主主義的に民衆による歓呼の声が高まれば、ポピュリズム的に行われるようになります。命令を避ける性向は、民主主義ではなく、自由主義です。ですから、自由主義者が、環境整備や意欲を高めることを社会主義的だと批判することは理に叶っています。そのときは、社会主義だろうが自由主義だろうが、正しいことは正しいと言うだけのことになります。
また、三橋さんは、〈マスコミのミスリードによって誤った認識が流布し、的外れな政策につながっているのが、今の日本なのです(p.102)〉と述べています。これは、まったくその通りだと思います。私は、公務員も農家も官僚も批判する気はありませんが、マスコミの卑劣さは許せないものがあると思います。
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