『新潮45 2013年9月号』に、佐伯啓思さんの『反・幸福論〈32〉 西田哲学「絶対無の場所」』が載っています。
素晴らしかったです。良い論文を読むって、本当に良い経験ですよね。
佐伯さんの問題意識って、すごく共感できるんですよね。「西洋における神」と「東洋における無」の対比って、極めて重要な論点なんですよ。そこに、西田哲学の重要性が浮かび上がってきたりするわけです。
でも、この問題意識って、分かる人は分かるし、分からない人はまったく分からないんですよね。
日々の生活がありますから、分からない人がいることはいっこうに構わないわけです。でも、それなら無理に立ち入らないか、分かろうと努力するかにすべきだと思います。
佐伯さんが述べていることって、非常に繊細なのですよ。繊細な感性が、西田哲学の機微に触れて、そこから何か大切なものを救い出すという営みが展開されているのです。
ああ、いいなぁって、素朴に思いますね。
ここで佐伯さんが述べていることって、まったくその通りだと思うのですが、さらに思想を深化させることもできると思うんです。次回以降でそれが為されるかもしれませんし、為されないなら、単著として出たときにでも私なりに論じてみたいですね。
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