小林秀雄という人物がある種の天才だということは、例えば次の文章だけで十分に理解できることと思います。
同胞の為に死なねばならぬ時が来たら潔く死ぬだろう。僕はただの人間だ。聖者でもなければ予言者でもない。
(『戦争について』より)
小林秀雄は魅力的な人物であり、いわゆる小林秀雄論もたくさんあります。その中において本書は、論理的に論理的な破綻に魅入られるという、とてつもない筋道を辿っています。著者の面目躍如ですね。
それにしても、小林秀雄の女性関係は、かなりぶっ飛んでますね。天才は、狂気をはらんだ女性に惹かれるのでしょうか・・・。小林秀雄の人生そのものが、一つの物語として(特に面白いという意味で)秀逸なのですよね。
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