『総理への直言(イースト新書)』西田昌司

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 本書は、自民党の西田昌司議員が、総理および国民へ直言を行っている書です。この発売時期と現在の安倍政権の迷走を思うに、政治家は大変だなぁと、月並みな感想を抱いてしまいます。いくつかコメントを少々。

 

<p.095>
 私の再三にわたるこうした指摘にもかかわらず、安倍総理は、TPP交渉参加を決断されました。しかし、条約を批准するためには、自民党内で議論した国益を守る基準をクリアしなければなりません。この基準を守れば日本にとって最悪の事態は回避できるはずです。交渉をしっかりと見守ってゆきたいと思います。

 

→TPPは、ねぇ・・・。もう完全に負け戦なのですが、問題は、負け戦を勝ち戦と勘違いしている首相ですよねぇ・・・。西田議員の奮闘に期待したいところですが、どこまで傷を浅くできるかどうか・・・。

 

<p.157>
 無駄削減を叫び、公共事業を減らし、政府の支出を抑えるばかりではGDPが減るのは当然です。また、法人税や所得税は所得に課税されますから、デフレで所得が減れば税収も増えません。そもそも、民間経済はデフレでは縮小してしまうのです。こうしたことの悪循環で経済はますます悪くなってきたのです。

 

→政治家は色々とたいへんだなぁと、申し訳ないのですが、他人事のように思えてしまいました。消費税については、ねぇ・・・。

 

<p.234>
 しかし、少なくとも今の私は、自分自身が納得する答えを自分なりに見出すことができたと思っている。当時、欧米の帝国主義が吹き荒れていた世界情勢の中で、孤塁を守っていた日本の立場を考えると、我々の先人達は皆良くやったということ以外ない。また、それが一番自分を納得させられるものであった。

 

→この文章は、2004年に西田議員が書いた論文からのものです。大東亜戦争で、日本がアメリカと闘ったことに対する疑問への回答ですね。
 ああ、この蛸壺史観にも自虐史観にも染まっていない考え方は素晴らしいですね。正直、この文章がなければ、感想を書く気力が湧きませんでした。ですが、この文章を見たことで、いや、余計なことはいいです。西田議員、今後も頑張ってください。

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