『不思議の国の論理学(ちくま学芸文庫)』ルイス・キャロル

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 論理学者であり『不思議の国のアリス』の作者でもあるルイス・キャロル。そのキャロルの論理学集である『不思議の国の論理学』を読んでみました。
 眼目なのは、やっぱり「亀がアキレスに言ったこと」ですね。ここの論理構造は、こういう風に示されないと、おそらく一生気づかない種類のものです。それらを鮮やかに記述するということで、論理的なセンス(それも天才によるセンス)を見ることができます。さすがですね。
 「あとがき」には、キャロルの文章を日本語に訳す苦労が編者によって語られています。この本を読むことで、言語における普遍性と特殊性の複雑性の一端には触れることができると思います。そして、それがとんでもない化け物だということも。


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