本書は、今までの著作をまとめた内容になっていますね。
経済学という分野を見渡して、共感してしまったところを少々。
<p.159>
「新古典派」をどのように取り入れるかでは立場が違うとはいえ、英米で同じ「ケインジアン」の名で呼ばれている経済学者たちが批判と反批判の応酬を繰り返すのは、遠くからみれば、「同士討ち」と言ってもよいような光景ではなかったか。
→ 確かに(苦笑)
<p.181>
もし「学派」に効用があるとすれば、それは「師匠」の理論や思想が弟子たちを通じて比較的早くかつ広範囲に広まっていくことだが、同時に、それはマイナス面を伴うこともある。それは、「師匠」の理論や思想に対する思い入れが強すぎて、その他の「新しい」要素を取り入れるのを妨げる場合である。マルクスやケインズの「学派」には、多少とも、このような傾向がみられたことは否めない。
では、同時期に複数の「学派」が存在し、お互いに反目している場合は、どうなのだろうか。この場合、それぞれの「学派」に属する人々がお互いに「対話」を通じて自分たちに足りないものを発見する方向に行けば生産的なものが生み出される可能性があるが、単にお互いが「反目」しあっているだけなら貴重な時間の無駄になる恐れがある。
→ 学派や特定の政策に固執するあまり、議論がおかしな方向へ行ってしまっている人たちを割と見かけます。経済学って、取りうる選択肢が限られていたりするのですが、その少ない選択肢の中でかなり不毛な言い合いがあったりするように見えてしまうのですよね。
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