著者が歯に衣着せずに言いたいことをドンドンと言っている感じで、面白かったです。
個人的に面白いと思ったところを少し紹介してみます。
<p.40>
今日の日本では、無抵抗主義の非戦論者が信用を博しているとは思われません。自衛隊の存在そのものを容認しない、絶対的平和主義を奉ずる人々や団体もあるでしょうが、失礼ながらカルト集団の要素が強いのではないでしょうか。
<p.69~70>
私は原爆搭載機エノーラ・ゲイのスミソニアン博物館での展示の是非をめぐって騒動が持ち上がった時、英文の『タイム』誌に投稿して爆撃が人道的であるか非人道的であるかは市民と軍人の死傷者の比率でわかる、そういう見方をすれば日本海軍の真珠湾奇襲はむしろ武士道にかなったものであると説きました。
<p.100>
チベットの仏教文化を抹殺させるような中国の同化政策を支持するわけにはいきません。指導者ダライ・ラマを日本で歓迎しましょう。
<p.134~135>
合衆国で「○○系アメリカ人」(いわゆるhyphenated Americans)の中で犯罪発生率の最も低いのは日系アメリカ人です。私はそのことを指摘して「罪の文化より恥の文化の方が上だね」とアメリカの日本学者によく冗談を言いました。ベネディクトは初めに結論ありきの二分法で、それに都合の良いデータを集めた、彼女はアメリカの御用学者としてはきわめて有能であった、しかし字義通り「恥知らず」の女であった、というのが私の見立てです。
こういった意見に共感を覚える人は、本書は面白いと思います。
しかし、こういった意見に反感を覚える人は、読まない方がよいかもしれません。
また、著者はp.90で〈空気は読むな〉という有難い教えを説いておられます。
そのため、教えにならって空気を読まないコメントもしてみようと思います。
<p.3>
民主主義の信奉者である私は、人間誰しも国家の基本問題に思いをいたすべきだ、書斎の人間だからといって政治や社会に無関心であってはならない、と考えます。
→ 民主主義に対する懐疑の念くらいは持った方がよいと思います。
<p.77>
私は日米同盟支持で、日本が米国の傘で守られていることを良しとしている者です。
→ 米国の傘は穴が開いていますよ。傘からもれた雨水にあたって風邪をひいて肺炎になって死ぬのは、私は嫌ですね。
<p.213>
新聞社や放送局はもとより、官庁に入って反日的活動をすることに意味を見出す者もこれからは必ずや出るにちがいない。いや、すでに存在している、というのが実状でしょう。しかしその異質分子にも日本の良さを感じさせ、日本社会への参加意識をもたせる術を日本の管理者は学ばねばなりません。
→ 無理だと思います(苦笑)。スパイを改心させようとするなんて、甘い考えは捨てましょう。
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