本書は題名の通り、ノイマン・ゲーデル・チューリングという三名の大天才を紹介するものです。その分野においてはもちろん、人類史を通してみても大天才であることは間違いない三名の話なのですから、それが面白くないわけがありません。
時代背景や対象となる学問の歴史も丁寧に解説されていますので、すっと内容が頭に入ってきます。ゲーデルの哲学とか、チューリング・マシンとか、その用語だけでワクワクしてきます。
ただし、一箇所気になったところがあります。著者が、「ノイマンは、日本を救ったとも考えられる」と述べているところです。しかし、「ノイマンが、いかなる世界観と倫理観に突き動かされていたのか、今後さらなる研究が必要と思われる」ともあるように、ノイマンの人間的な評価は保留にしておいた方が良いように思います。私には、ノイマンはやはり悪魔的に感じられてしまうのですよね。
それにしても、この時代のプリンストンって、すごすぎますね。この三名の他にも、ワイルとかアインシュタインとかいますからね。日本はアメリカと戦争していましたから、これら大天才たちの知性を相手取って戦っていたわけです。何とも言えませんが、感慨深いものがあります。
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