日本の曹洞宗の内山興正さんの著書を読んでみました。
坐禅について、分かりやすく解説されています。
坐禅の座り方を、ロダンの「考える人」との対比で考察されていたり、面白いですよ。
内山さんは、〈坐禅は思いを手放しにすることによって、生命の実物そのものをわれわれに体験せしめますが、その生命の実物とは尽一切自己(すべてのすべてとぶっつづきの自己)なのでした〉と述べておられます。
これは哲学的にも、深い洞察です。安易な神秘主義だとみなしては間違いですね。哲学的な見解としては、「第四章 坐禅人の自己」などで、かなり具体的に語られています。参考になります。
内山さんは、〈地獄へ落ちたら地獄こそ今の私の生命なのであり、真直ぐに地獄を生きぬくことであり、もし極楽へ往ったら極楽こそ今の私の生命であり、真直ぐに極楽を生きぬくという態度〉を説きます。
全面的な同意はさすがにできませんが、決してないがしろにしてはいけない見解だと思うのです。
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