本書の西部のセリフで、面白いところがありました。
僕の思う大衆の原形というのは、じつは当時の東大の学生たちなんですね(笑)。だから、いわゆるエリート対大衆とか知識人対大衆とかいうことじゃないんです。ああいう東大生たちが将来エリート――高級官僚、高級ビジネスマン、学者など――になっていく。僕の思う大衆というのは、結局、東大を一応の頂点として成り立っている今のビジネスマンとか知識人とかのことなんです。
大衆批判を繰り広げていく西部ですが、そこには東大の学生の姿があったというのです。
私個人としては、東大生が大衆だとは必ずしも思いませんが、興味深い視点だとは思えます。
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