ゴールデンウィークということで、前々から読もうと思っていた『ポスト・ケインズ派経済学』に手をだしてみました。でも、こういった本は少し割高ですよね。5千円を超える本を気軽に買って読めるのは、社会人の特権ですな。学生時代なら、図書館に入るまで待つパターンですから。
貨幣供給、「有効需要の理論」、ポスト・ケインジアンが共有している核心的な命題、「ホリゾンタリスト」(horizontalist)と「構造論者」(structuralist)、長期における「粗調整」(coarse-tuning)と短期における「微調整(fine-tuning)、「機能的財政」(functional finance)アプローチなど、ポスト・ケインズ派の重要な用語の概要を手っ取り早く知ることができて有益です。
ポスト・ケインズ派には、参照にすべき見解が多々あるのですが、やはり異端派にとどまっているのもやむを得ないという面も見えてきます。正統派もおかしいですが...。経済学って、学者の変なこだわりが、全体の見通しを悪くしている感じですよね。正統派も異端派も、互いへの批判にはうなずけることが多いのですが、固執しているところは、何を言っているのだろう?って感じを受けてしまいます。
経済学って、どの派閥も一理はあるけど、それだけでは本質を見失うように感じられます。異なる学派の見解を知っておくことは重要かもしれません。内容的には、マルク・ラヴォア『ポストケインズ派経済学入門』や、内藤敦之『内生的貨幣供給理論の再構築』などと重なるところが多いです。合わせて読むと理解が深まりますが、どれか手に入りやすいものから読めば良いと思います。
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