『面白すぎる天才科学者たち (講談社+α文庫) 』内田麻理

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 一言でいうと、天才科学者の面白エピソード集です。そのため、科学的な理論については別の参考書を必要とするでしょう。
 内容については、ともかく面白いです。著者の贔屓が入っている気がしますが、それが良い意味でスパイスになっています。どの人物も、科学的な業績といった観点からは偉大過ぎて何も言えません。でも、人格的な面ではいろいろと言いたくなってしまいます。ボーア、ファラデー、アーベルあたりは、たいていの人が好印象を持つと思います。ニュートンは、さすがになかなかの下種っぷりです。その他の人物については、人によってかなり評価が分かれるのではないかと思います。
 シュレーディンガーについての次の意見は抜群です。


 妊娠を心配していたケイトに反し、シュレーディンガーの意識的な行動が実って彼女は妊娠しました。ここまで徹底していると、彼に対して呆れるというより尊敬の念がわいてきますが、そんな自分に嫌悪感を持ちます。




 こんな言い回し、私では一生考えても出てきません。著者の表現力にも脱帽です。

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