とても面白かったです。『聖書』(特に新約)を学問的に語っており、気の遠くなるほどの歴史と作業量に想像を働かせると頭がクラクラしてきます。
日本の非キリスト教徒で、それでも世界的に有名な『聖書』に少しは興味があるという方にはお勧めです。敬虔なキリスト教徒にはお勧めしませんし、とりあえず何か面白い本を探しているという方にもお勧めはできませんね。そういった意味で、日本での読者層は狭いでしょう。しかし、その狭い層には大変面白く感じられると思われます。
いささか失礼な言い方が許されるなら、個人的には知性の無駄遣いと感じられました。ここまでの情熱と知性なら、もっと別なことにすれば良いのにと(笑)。でも、それは余計なお世話なのでしょう。宗教的な情熱は、特殊であり、特別なのでしょう。その成果をこうやって本にして読めるというのは、かなり幸福なことだと思われます。
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