2022年1月アーカイブ

『遺稿焼却問題』

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#ぷねうま舎 #永井均 #永井哲学

読み始めましたが、最初の「人と交わらぬ人生」について何か書いてみたくなり手が止まってしまいました。
永井さんの本は、ところどころで立ち止まる箇所があるのですが、さすがに最初に1ページで手が止まるとは・・・。


「人と交わらぬ人生」について考えたこと(1)

「人と交わらぬ人生は生きるに値しない」と「自殺してはならない」が同列に語られているが、間違っていると思う。前者は哲学的にも社会学的にも重要な論点だが、後者はカルト宗教の一つの教義に過ぎないのだから。


「人と交わらぬ人生」について考えたこと(2)

ここで出てくる人物は、この問題の例として適切ではないだろう。なぜなら、東西の古典文学を読んでいるから。つまり、この人物は、明らかに人と交わっている人生を送っているのだから。それが生者か死者かは、ここで大きな問題ではないだろう。


「人と交わらぬ人生」について考えたこと(3)

「よくない(犯罪や不道徳行為とは別の意味で「悪い」)という通念」は、恥と罪との構造の違いからうまく説明できると思う。




恥と罪の構造をうまく説明している本は、
の「 第11章「恥」と「罪」 」しか知らない。
(だから自分で書いたわけで)

これ以外での説明は寡黙にして知らないので、もしその構造を説明している本があれば教えてください。
(教えてもらえれば感謝します)



例えば、西部邁さんは『大錯覚時代』で、


同心円状をなすふたつの価値的位相なのであって、
中心部に「罪の文化」があり、
その外縁に「恥の文化」が位置しているとみなすべきであろう。


と述べています。
西部さんを心から尊敬していますが、間違っています。
(それぞれが示している構造を見比べてみると面白いと思いますよ)

#イースト・プレス #ケインズ

おそらくケインズの「一般理論」の解説としては、最もわかりやすい本です。
経済学はケインズが一つの壁なので、この本で超えてみるのが効率的だと思われます。

#講談社現代新書 #永井均 #永井哲学

"生を肯定できない者にとっては、あらゆる倫理は空しい。
この優先順位を逆転させることはできない。"

この2文だけでも読む価値がある。
この意味が分からない人はすぐに読んだほうがいいよ。

#講談社学術文庫 #中島義道

「カント倫理学のキモを知るにはこれを読むしかないといえるほどの名著」とのこと。
自己愛を嫌悪するという自己愛や、幸福を優先しないという幸福という、非常に歪んだ性癖を垣間見ることができる妙著でもある。


#東洋経済新報社 #新井紀子

アノテーション(機械で処理ができるような構造化)
語彙の種類や量は環境要因で大きく左右される
暗算大会で優勝した高校年生の逸話

など、有益な情報多数。



逆説
帰納―ヘンペルのレイヴン
カテゴリー―グルー=ブリーンの逆説
知りえないこと
演繹―積み重ねの逆説
信じること―予期せぬ処刑
ありえないこと―予期の逆説
無限―トムソンのランプ
NP完全―崔奔の迷宮
意味

全知―ニューカムの逆説

などの言葉に惹かれるならお勧めです。


かなり骨太な数学と哲学の融合。
けっこう難しいことは覚悟する必要がありますが、高度な理論が展開されていて読みごたえがあります。
#東洋経済新報社 #新井紀子

今更ですが、やっぱり本書は重要。
まだ読んでいない人は今からでも読みましょう。
AIに駆逐される前に(笑)


#ちくま新書 #根井雅弘

経済学の入門書として広くお勧めできる本。
しっかりしている上に分かりやすいという良書。
本書の著者の本なら、どの本を手にとっても大丈夫。


#人文書院 #根井雅弘

経済学の入りは、根井雅弘さんの著作から入るのがお勧めです。
予備知識なしで読めて、その上で学問的に高水準であり、文句なしです。
コラムなどもあり飽きなく読めます。


「限界シリーズ」の一冊目。
超絶面白いです。
人類の知性が到達した「限界」の一端に触れることができる良書。
『知性の限界 不可測性・不確実性・不可知性』は限界シリーズの2冊目です。

ウィトゲンシュタインの言語ゲーム
サピアウォーフの仮説
ヘンペルのパラドックス
ニューカムのパラドックス
パスカルの賭け

中二病の匂いがプンプンしますね。

『感性の限界 不合理性・不自由性・不条理性』は限界シリーズの3冊目です。
"愛とは何か 知覚の因果説" とか書かれています。

#ちくま新書 #竹内整一
竹内整一さんの著作はどれもお勧めなのですが、本書は「さようなら」という別れの挨拶が世界では一般的ではないという観点から論じられています。

知っておくとちょっと面白いかも。


#中野剛志
中野剛志さんの本はほとんど読んでいますが、その中でも最もお勧めできる一冊。
ボリュームがありますが、じっくりと読む価値があります。

以前に書いた感想はこちら


#永井哲学

もはや何度読んだか分からない本。
そして、読むたびに新しい発見がある稀有な本。

哲学好きにも漫画好きにも、文句なくお勧めできるすごい本。

ただただ圧巻。
読まないのは、単純に、すごく、もったいない。


『死にかた論』

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#佐伯啓思

"生や死についての個人的な「覚悟」を決めるとしても、われわれは、先人の経験から学ぶほかなく、文化のなかに伝えられてきた「目にはみえない価値観」にまずは寄りかかる以外にないからだ "

死に向き合うために参考となる本。

少子高齢化に向かう日本の現状において、どう自身が立ち向かうかが問われています。

#保守思想

稀代の保守思想家・西部邁の本で最初にお勧めするなら、やっぱりこれでしょう。
ただし、絶版のようなので古本を探すしかないみたい(泣)
kindle化とかですぐに読めるようにしてほしいです。
#講談社現代新書
#永井均
#永井哲学

哲学者の永井均さんの本の中で、初心者に進めるなら、私ならこれですね。
世の中になぜか一定数存在している、少しだけ哲学的な人には確実に読む価値があります。
自分が哲学的かどうか判断できる稀有な本。

" 自分が自分の世界と自分の生を自分の仕方で理解することができたなら、それだけでいいのだ。むしろ、それだけであるほうがほんとうなのだ。"

本書の中でも特に印象深いセリフです。

そうかと思って、真に受けて書いた本がこれ↓。

#講談社現代新書

" しかし北王国が滅亡したことは事実であり、ヤーヴェが沈黙していたことは事実である。"

さあ、困ったぞ。
神様は無能なのだろうか?

ここから良くいえば神学的思索が、悪くいえば言い訳がはじまるわけで。


#講談社学術文庫

人類史上、最も有名な " 裏切り者 " の物語。

彼は縊死したのか?転落死したのか?

彼は許されたのか?許されてはいないのか?


"なぜなら彼はシナイ山で自ら告示した十誡のうち少なくとも三つをあからさまに犯しているからである"


神はみずからが定めた掟を破って恥じない存在ってことですね。
ユングの本の中でも抜群に面白い。

お・も・し・ろ・い。

不干斎ハビアンは1565年頃生まれの日本人キリシタン。

知っている人はほとんどいないだろうけど、仏教・儒教・道教・神道・キリスト教を比較し論じた知的な化物です。

3人の聖人を、類似性を基に語っているスタイルです。

が、やっぱりブッダの解説は微妙な気がしなくもない。

ソクラテスとイエスに偏ったような気がしないでもない。

曖昧な言い方をしているような気がしないでもないような気がしないでもない(笑)

の70冊目でのやり取り

町田さわ子:「世界が終わる」とか言ってる神林...、もしかして前にもあった?
神林しおり:無い! あと「世界が終わる」とか言ってない!


黒っぽい本が好きな神林でも、「世界が終わる」とかは言ってないようだ...。
いい歳して、そんなこと言っちゃうような奴は痛いですね。


の22冊目で神林しおりが、

「黒っぽい表紙が好きだ! カッコイイと思っている!」

「黒っぽい本は中身が素晴らしい割合が高く、結果的に表紙もセンス良く感じてしまう...っていう」

って言ってる。

わかる......。

めっちゃ面白い!

主人公はムムリンではなく、コウタくんです(笑)

ムムリンの存在がなくても、コウタくんの日常で十分に話が成り立つでしょう。

1話でコウタくんがナナちゃんを論破してしまいますが、そんなことをしたら二度その子は話してくれなくなります(笑)

女の子を論破するのは止めておきましょう。

もてなくなるしね。

そこまで言うか、って本。

" だが皮肉なことに、アメリカ初代大統領が嘘をつかなかったという逸話は、それ自体が嘘である "

だって(笑)

題名に反して理論的なので、学問的にも参考になります。



組織論として非常に有用。

" いくら仕事ができても昇進できない " という指摘は、実感もあり納得(笑)

「権力」を手にするための七つの資質が書かれていて、出世に関する理論としても読めて面白い。

 投資において、自分は中級者以上と思っているなら読んだほうが良い本です。

 要するに、アクティブ投資に乗り出すなら読んでおいたほうがよいです。アクティブ投資は自分にはむりだなと思うためにも、有用な本でしょう(苦笑)。

 本書で語られている「二次的な思考」という概念は非常に有用で重要です。

 解説を哲学者の永井均さんが書いているというだけで読む価値がありますが、予想を超えて素晴らしい良書でした。 徹底的に論理的に話を進めるということが、どういうことかということを、これでもかと見せつけてもらえます。

 本書には " まず、〈ライト〉の思想を地上へと引きずりおろし、そこから新たに〈ライト〉の概念を捉えなおす努力が必要である " とあります。 それでは、この〈ライト〉の思想の代替案はありえるのでしょうか? 新しい問題がここで出てくることになります。

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