永井均について少々

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 永井均は、日本の哲学者です。哲学者って、かなり選り好みが分かれますよね。
 例えば、プラトン、マキャヴェリ、ルソー、カント、ヘーゲル、キルケゴール、ニーチェ、ウィトゲンシュタイン、ハイデッガーなどは、かなり選り好みが別れる哲学者だと思う。特に、好きか嫌いかって観点で。
 で、永井均も、かな~り選り好みが分かれますね。
 もし、子供時代に、「何で僕は僕なんだろう?」という疑問を抱いたことがある者は、おそらく永井哲学の魅力を理解できると思います。「えっ? 何言ってるの?」という方は、近づかない方が無難かもしれません。

 注意しておきますが、分からない人は、本当に分からないと思います。

 もし興味があるなら、まずは『〈子ども〉のための哲学』(講談社現代新書)ですね。

 さらに進むなら、『翔太と猫のインサイトの夏休み―哲学的諸問題へのいざない』 (ちくま学芸文庫)ですね。

 天才の狂気を味わいたいなら、『マンガは哲学する』 (岩波現代文庫)や『転校生とブラックジャック――独在性をめぐるセミナー』 (岩波現代文庫)などがあります。

 世界の神秘について、文字通りに徹底的に考えるということの醍醐味を味わうことができます。

 ちなみに、何度も言いますが、分からない人は、本当に分からないと思います。

 

 

『〈子ども〉のための哲学』より 

 自分が自分の世界と自分の生を自分の仕方で理解することができたなら、それだけでいいのだ。むしろ、それだけであるほうがほんとうなのだ。

 

『翔太と猫のインサイトの夏休み』より

 これは色々な意味でいえることなんだけど、ぼくらはね、ぼくらの生きていることの前提になっているさまざまな偶然性を受け入れて、その中で生きるしかないんだよ。それが出発点なんだ。

 

『マンガは哲学する』より

 マンガは子どもが読むものだという通念が、大人が読むマンガの中にまで波及していて、大人の常識に惑わされない問題提起をゆるしているように思われる。たとえばアンデルセンなどの童話が、トルストイやドストエフスキー、夏目漱石や森鴎外などよりもはるかに深く、そして単純な意味で哲学的であるのと似ているだろう。

 

 

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