詩:残り火

| コメント(0)

 日々の黄昏にさまよう陽炎は

 言うべき言葉も知らずに嘆き悲しむ

 

 明日の糧に手を伸ばすその心根に

 砕けた刃が胸に突き刺さる

 

 「きっと、大事なものなど何もないよ」

 そう言った君の瞳が綺麗で

 僕は僕に刺さった刃をさらに抉り込む

 その痛みで僕は歓喜する

 

 痛みだけが生きているということを強く

 強く感じさせる

 

 その虚無によって

 僕は君に沈み込む

 

コメントする

カテゴリ

月別 アーカイブ

ウェブページ