『新約聖書』には、四つの福音書があります。
福音書は、イエスの言動を伝えています。
イエスその人が、十字架上の死から復活したことは有名ですが、イエスが他人を死から甦らせたことも注目に値すると思います。
イエスが死者を生き返らせたのは、ヤイロの娘とラザロの2回です。ヤイロの娘は、マタイ・マルコ・ルカによる福音書に出てきます。マタイでは指導者の娘と呼ばれていますが、ヤイロの娘と同一人物でしょう。ラザロは、ヨハネによる福音書に出てきます。
宗教学的には、死の超克は一つの大きなテーマになりますし、アピールポイントにもなります。
しかし、それを思想的に考えた場合は、また違った考察が必要です。
思想的には、宗教上における死の超克は、死の分離として捉えることが可能になります。
つまり、死は「死」と〈死〉へと分割して考える必要があるのです。
「死」は、復活可能な死として。
そして〈死〉は、宗教的な復活をすら拒む死として。
ここにおいて、思想上における死論によって、宗教学的な意味での死の超克へのXXが可能になります。
なんてことを、『名も無き歌』の第3章を書きながら考えていたりします。
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