ASREADに、【思想遊戯(8)- パンドラ考(Ⅲ) 峰琢磨の視点】が掲載されました。
今回は、登場人物の一人である峰琢磨くんの視点から物語りがつむがれています。
彼は、本作中ではかなりまともな一般人として描かれています。本作では、思想的に狂気がうずまいているのですが、彼は狂気にとらわれることなく、一般人の感性を失わない立派な人物です。
特に、第五項の彼と、彼の彼女との会話は是非とも読んでみてください。彼が感じた「寂しさ」は、おそらく分かっていただけると思います。思想的な深みにはまってしまったとき、自分が変化したと感じられます。そのとき、その自分の変化を、他者に気づかれてしまうときがあります。その差異における、微妙な感情の機微がここにはあるのです。
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