貨幣は内生説で説明しきれるか(4)

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 カズさんが、私の質問に対し回答してくれています。

http://nihonshiki.sakura.ne.jp/nikki/2013/09/post-533.html#comment-97

 この回答を基にし、議論を続けたいと思います。

> まず、そもそも「内生説」と「外生説」の捉え方について
> モトさんと僕とでは違いがあったようです。

 ここでは学問として経済を論じているわけですから、
 捉え方に違いがあるということはどちらかが間違っていることを意味しています。
 私は、次のどちらで喜べば良いのでしょうか?

(a)私の捉え方が正しかったんだ。やったー。
(b)私の捉え方は間違っていたんだ。
  でも、正しい捉え方を教えてもらえたぞ。やったー。

 ちなみに、私の捉え方は根井雅弘氏の『市場主義』の定義に基づいていますが、
 より詳細には以下の『岩波 現代 経済学事典』の定義に基づいています。

*************************************************************************************
【内生的貨幣供給論(theory of endogenous supply of money)】
 貨幣供給は需要によって決まるという貨幣理論。一般的に用いられる貨幣指標のM2+CDの圧倒的大部分は預金である。信用創造の理論は、この預金が貸出しによって創造されることを示している。内生的貨幣供給論は、この理論に基礎をおく。現在、内生的貨幣供給論を強力に主張するのは、ポスト・ケインジアンである。ポスト・ケインジアンの内生的貨幣供給論は、さらに水平派(アコモデート派)と構造派に大別される。カルドア、ムーアなどの水平派は、中央銀行は貨幣需要に応じて貨幣供給を受動的に調節すると主張する。他方、需要と供給が相互依存的であると主張するのが構造派である。
(以下略)
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 私は、「貨幣には外生性も内生性もある」と述べていますが、
 これは需要と供給が相互依存的であるということです。
 ここらへんの経緯は、どこかで述べます。

 ちなみに、貨幣の供給の内生説と外生説の対立になると、
 貨幣本質論における信用貨幣と商品貨幣の対立などが問題になってくるわけですね。

> 「マネタリーベースを増加させれば
> その乗数倍マネーサプライは増加する」という理論は
> 「貨幣数量説」ではなく「貨幣乗数論」と言います。

 その通りですね。間違えていました。すいません。
 より正確に言えば、
 「中央銀行はハイパワードマネーをつうじて
 マネーサプライを間接的にコントロールできる」というのが「貨幣乗数論」であり、
 「物価水準は、流通貨幣量によって決まるとする考え」が「貨幣数量説」ですね。

> 「貨幣乗数論」という「MB→MSへの波及」...

> 内生派は「貨幣乗数論」そのものを否定しているのではなく、
> 「MB→MSへの波及」を否定しています。

A論というB波及があり、A論は否定しないけどB波及は否定する?
「MB→MSへの波及」を否定したら、「貨幣乗数論」の否定になるのでは?
「貨幣乗数論」という考え方があるのは知っているが、
そこで想定されている効果は無い(0になる)と内生派は考えているということでしょうか?

> 「貨幣乗数論」という「MB→MSへの波及」は、
> 「外生説の根本理論」というよりは内生説と外生説との
> 根本の違いが生じている場所というのが適切ですね。

 なるほど。
 内生説と外生説との集合における部分集合として
 「貨幣乗数論」を論じることができるわけですね。
 ちなみに、私は内生説や外生説とは違う立場から、
 「MB→MSへの波及」を否定するのはまずいと考えています。

(続きます)

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