(1)・(2)・(3)・(4)・(5)の続きです。「倫理の起源58」参照のこと。
さて、あまり【小浜逸郎・ことばの闘い】のコメント欄に書き込みまくるのも迷惑になると思うので、続きは本サイトで。
この議論に関しては、誰の味方もせずに、公平さを心がけていきます。
で、小林よしのり氏の『戦争論』について少々。
小浜氏は、〈彼が特攻隊精神を美化しているという根拠は、『戦争論』(オリジナル版1998年幻冬舎刊)の17章と21章、特に17章です〉と述べておられます。
ちなみに、問題の章題はそれぞれ、「第17章 クニを護るための物語」と「第21章 個を超える勇気と誇り」になります。
それぞれ特攻精神に関わっている章ですが、〈特攻隊精神を美化している〉というのなら、「第7章 特攻精神」を取り上げないとフェアではありません。
というわけで、第7章から重要な部分を引用してみます。
<p.82の3コマ目>
こう見てくると"無駄死に"とか"犠牲者"とか言われる非合理な特攻もあったようだ
<p.92の2コマ目>
特攻隊をひたすら美化するつもりはない
死にたくなくても追いやられてしまった者もいるかもしれない
明鏡止水の者ばかりではなかったかもしれない
恐怖にふるえていたかもしれない
<p.92の5コマ目>
戦局の悪化から米軍を本土上陸させたら日本は滅亡してしまう
郷土は焼き尽くされ
愛する者たちは殺され 犯され 奴隷と化してしまう
考えに考えた末 祖国を救うために一発逆転にはもはやこれしか残されてないと志願した者たちは?
以上の内容が第7章にはきちんと明記されているわけですから、〈特攻隊精神を美化〉しているという非難には賛同できないわけです。
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